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2017.4〜5月 スペイン 邸宅のタイル巡り

第1回 ガンディアの公爵邸

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今回の旅のメインテーマは「邸宅のタイル」です。

ガンディアの公爵邸

 スペイン第三の都市バレンシアから、南へ70キロ。人口約75,000人の街ガンディアへは
 バレンシアに宿泊し、電車で1時間かけて行ってきました。
 この街にはタイルが素敵な邸宅「ボルハ公爵邸 (Palau Ducal Dels Borja)」があります。

 

ボルハ公爵邸

 14世紀に建てられ、イグナシオ・ロヨラで有名なイエズス会の総会長も務めたフランシスコ・ボルハ公爵の生家で、その後イエズス会が所有して修復しました。一部を一般公開しています。


公爵邸の道に面した入り口 


入り口を入ると中庭が。中庭からみた建物外観。

 


中庭にあったタイル。
絵タイルと緑のタイルの組み合わせが新鮮でした。
こういう組み合わせ方もあるのかと勉強になります。



大きなサロンです。
壁下全面に透明釉の緑を基調としたクエンカタイルが張り付けられています。
緑がとても気品があり素敵でした。
壁毎に少しずつ模様が違ったりしています。 


サロンの窓には椅子のようなところが。
ここから外の景色を眺めていたのでしょうか?


サロンの床には部屋をぐるっと一周、
写真のようなタイルがありました。
やはり人が歩くので床は痛みが早いのでしょう。
新しいタイルになっていました。
プリントタイルのようで残念。

 

寝室のようです。
やはり床にタイルがアクセント的に入っています。

 

わたり廊下のような空間に、15世紀から18世紀の間に宮殿のサロン等に飾られていたタイルがまとめて展示されています。
このような展示も面白いですね.

 



 

右の写真の王冠模様と角のような5本のタイルは
サロンの床にあったものと同じです。
もしかしてこのタイルが以前床に張り付けられていたのかもしれません。

この2つの模様の説明を聞いたのですが、失念してしまい残念です。
紋章ではないとのこと。
何かのシンボルマークのようなものだとは思います。
他の部屋にもこの2つの模様のタイルはありました。




15世紀の床タイルで、この部屋は立ち入り禁止でした。


別の部屋の床タイル。部屋の中央部分にありました。


壁のタイルの色の使い方が面白い。茶、白、緑、絵タイルの4つ。


この邸宅の最も古い部分とのこと。模様が変わっています。

 

2階の外観。
とても素敵な模様が描かれています。
各部屋の窓の上にある青い小さい屋根も印象的です。


この青い屋根の下には小さなバルコニーがついていて、
そこにも絵タイルが描かれていました。
とても綺麗な模様のマヨルカタイル。バルコニーによって模様も違っています。

最後の見学場所は、黄金のギャラリーと呼ばれた場所。
華やかに黄金に装飾された入り口から
5つの小さなサロンが一直線に並んでいます。

 


1番目から3番目までのサロンにはタイル装飾はありませんが
4番目の部屋の床には大きくて華やかな
マヨルカタイルがありました。
損傷を防ぐためか、分厚い透明のビニールマットが
かけられていたため、模様が不鮮明に写っています。

 


そして一番奥、突き当りの5番目の部屋。
ここのタイルが目的で、この邸宅まできました。
床全面(端から端まで全部)がマヨルカタイルです。

全面マヨルカタイルというのはもちろん初めて見ました。
マニセス産とのこと。
3方に窓があり明るくてよいのですが
写真が光ってしまい、うまく撮影できませんでした。

中央から放射線状にタイルが広がっています。
四大元素(地水火風)を表しています。
もちろん立ち入り禁止で、入り口にロープが張られています。


 

★ガンディアの街


この街の通り名のタイルは、華やかな多色のマヨルカタイル。
額縁のようなものもお洒落ですね。

街の広場に面した教会


お店やさん(お酒類?)のタイル

 


同じお店、庇の下にも華やかなタイル。
よく見ると灯りにもタイルが入っています。


この川べりに公爵邸が建っています。


途中駅のホームの写真。
このあたりはオレンジの一大生産地で
駅のホームぎりぎりまでオレンジの木が植えられていました。

折角1時間かけてガンディアまで来たので、
ガンディアでランチすることにしました。
写真はレストランの外の壁にあったソカラトタイル。
バレンシア地方はソカラトタイルも有名です。
お鍋からでている湯気のようなものが、
公爵邸のタイルと同じような気がします。

バレンシア地方はお米料理、特にパエリアが有名ですが、
私は以前からずっと食べてみたかった料理を注文しました。
Arroz Meloso de Bogavante (ロブスターの柔らかいご飯) です。
美味しかったです。満足!


レストランの中はモダンな感じでしたが
棚の上にワインの瓶とソカラトタイルが お洒落に飾り付けられていました。
スポットライトまであたっています。こういう飾り方もあるんですね。

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