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バレンシア教室のあるバレンシア、トレンテを中心にスペインらしい(?)
楽しく時には真面目なごくごく身近な日常のニュースを隔月に一度お届けします。
遠く離れた日本の皆さんに少しでもバレンシアの温かい雰囲気を感じて頂けたら幸いです。

【2002年1・2月号】
12月17 日なんと40年ぶりにバレンシアに雪が降りました。バレンシア教室のある「エルベダット」では少し積もったくらいです。今年の冬は日中20度前後の日が続き暖冬かと思いきや突然の寒波で国中が混乱、バレンシアの混乱ぶりもTVのニュースで流れていました。そんな中今年のバレンシアのクリスマス風景をと思い市内に撮影にでてみると、去年より少し地味目なイルミネーションでメインの市役所広場も抑え気味、 毎年お馴染みのベレン人形も飾られていませんでした。残念…。でもバレンシア教室のあるトレンテの大通りにあるヤシの木はイルミネーションで飾られとてもきれいです。
(バレンシア在住 柳川佳代)

バレンシアのクリスマス・2001
「VALENCIA DE NAVIDAD・2001」

昨年のバレンシア通信でバレンシアのクリスマスの過ごし方をご紹介したので、今回は 少し角度を変えてこのクリスマス時期のバレンシアの風景をご紹介します。
突然の寒波が襲ったバレンシア。慌ててストーブを買う人々の姿が目立ちます。 通常スペインは日曜、祝日はデパートをはじめ全ての商店がお休みですが、12月中旬も過ぎるとクリスマス 商戦が始まりバレンシア市内のデパート、商店も休みなく営業します。街はプレゼントを買い求める人々、年末のパーティー用に食料品を買い置きする主婦達の姿で大賑わいです。バレンシアではクリスマスに魚介類、特に「エビ」を主に食べます。年末になるにつれ魚介類の値段は跳ね上がるので、買い置きできる物は今のうちに買っておくわけです。日本の主婦と同じですね。

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navidad 皆さん御存じの通り、来年1月からペセタ通貨がユーロに変わります。街の商店でもユーロでの価格表示が目立ってきました。ただでさえ計算が苦手なスペイン人(?)ですので、混乱するのは当たり前。その防止策としてかペセタからユーロに換算する計算機も販売されています。またこれを機に便乗値上げが起こると言われ、それもあり今年の年末は特に市民の財布の紐が緩くなっているようです。
日本とは逆にスペインでは会社の上司が部下にお歳暮を贈る習慣があり、写真のような年末に役立ちそうな食料品の詰め合わせ等が贈られます。この写真はデパートで見つけた豪華版!約50,000pts(3,5000円)也。こんな高価なお歳暮を贈られた人はラッキーですが、一般的にはここまで高くない5,000pts程度のお歳暮を贈ることが多いようです。
昨年もご紹介しましたが、スペインではキリストの誕生を再現したBELEN(ベレン)人形を 飾る習慣があります。写真のようにデパートにはBELEN(ベレン)人形売場が設置され、毎年少しづつ人形や飾りを買い足し、各家庭のオリジナルBELEN(ベレン)を飾ります。どこの国の年末も忙しいですね。ここでざっとスペインの一般的な年末年始スケジュールと出費計画を見てみましょう。(OCS NEWS12/1号一部引用)
12月に入るとまず、街や各家庭でクリスマス装飾をし、各団体、自治区で販売するクリスマス宝くじ「LOTERIA DE NAVIDAD(ロテリア デ ナヴィダ)」を買い求めます。ちなみに1等賞は3000万ペセタ(約2100万円)。12/22にその発表を心待ちにし24日には家族で夕食、25日は家族でランチを食べ クリスマスを祝います。 31日は年越しパーティー用のドレス等に大枚をはたき(レストランで年越しパーティーするのが一般的)、パーティーで朝まで大騒ぎをした後1月1日は疲れ果てて一日休養、一般的に2日 からは仕事が始まります。1/6は「LOS REYES MAGOS(ロス レジェス マゴス)」の日。スペインではこの日に子供達はプレゼントをもらうのが伝統行事です。しかし年々12月のクリスマスでプレゼントを贈る習慣がスペインでもかなり浸透してきました。どこの国でも年末年始は出費がかさみますね。
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navidad では、その出費の内訳をスペイン人1人あたりの平均金額で見てみると…。
宝くじ…15,756pts(約11,029円)
家での食事…11,866pts(約8,306円)
外食…22,052pts(約15,436円)
レジャー…23,939pts(約16,757円)
プレゼント…18,080pts(約12,656円)
おもちゃ…9,526pts(約6,668円)
合計…101,219pts(約7,0853円)
これは収入で言うと平均的な家庭の約1か月弱分の給料に相当し、こんな大金が年末に羽をはやして飛んでいくわけです。
話しは少し変わり…ここではクリスマスの伝統的な甘い物「TURRON(トゥロン)」のお話を。 スペインのクリスマス時期には様々な「TURRON(トゥロン)」を一口大に切り、マサパン(アーモンドの粉まんじゅう)「パン デ カディス」と一緒にお皿に盛ります。スーパーでもトゥロン専門売場が設置されるくらいです。
トゥロンとは、アーモンドの粉や卵の黄味を練って固めたもの、チョコレートの固まり等いろいろありますがどれもこれも非常に甘い。バレンシアから少し南下したアリカンテから内陸に約30km行った所に「JIJONA(ヒホナ)」と言うトゥロンの村があります。この村にはたくさんのトゥロン工場があり、その中でも最も有名なのがEL LOBO社(エル ロボ)。その中にトゥロン博物館があり一般見学用に解放されています。なんと!驚いた事にこの工場は7月から5か月間のみ働き、他の期間はお休みだそうです。クリスマス出荷分だけで年間分を稼いでしまうのでしょうね(?)。
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EL LOBO社(エル ロボ)の主なトゥロンの種類はアーモンドチョコレートやyema(卵の黄味)等ですが、最も伝統的なのはアーモンドの物。写真のEL LOBO社(エル ロボ)の「1880シリーズ」は人気の高級商品です。
昔この土地は冬寒かったためと、アーモンドが沢山収穫されたため、アーモンドを使った高カロリーのお菓子を17世紀に試作したのが始まりだそうです。珍品としてトゥロンのアイスクリームも絶品!この博物館見学後は売店で試食もできます。イギリスのビクトリア女王も大好きだったというトゥロン。バレンシア教室にいらしゃった際にこのトゥロン村まで足を伸ばしてみるはどうでしょうか。
MUSEO DE TURRON
ALCOY 62
TEL:96 561 0225