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バレンシア教室のあるバレンシア、トレンテを中心にスペインらしい(?)
楽しい、時には真面目なごくごく身近な日常のニュースを隔月に一度お届けします。
遠く離れた皆様に少しでもバレンシアの温かい雰囲気を感じて頂けたら幸いです。

【2002年11・12月号】
10月最終土曜日でサマータイムが終了。日本との時差は8時間になりました。スペイン生まれスペイン育ちの年配夫婦の会話:夫「いつから冬時間だっけ?」妻「明日からよ!いつも寝る前に時計セットするでしょ!(怒)」。そんな会話を毎年繰り返してるらしい。「半世紀もスペインに住んでるのにまだ覚えないのか!」と私は言いたいけど、まあそこはスペイン人らしい、って事でご愛嬌。 街頭では焼きとうもろこし屋から焼き栗屋に、スーパーでも冬のお菓子コーナーが設置されどんどん冬に近づいていくバレンシアです。(バレンシア在住 柳川佳代)

バレンシア初!日本食材店オープン!!
「JAPON.es」(ハポン プント エス)

ある日、バレンシアからトレンテ行きのバスに乗っていると急に乗客のお婆ちゃんが運転手にものすごい迫力で怒ってる。耳をすましてみると、どうやら運転手はバスが定刻より遅れていた為か、通常巡回すべき街を(バレンシア~トレンテ間では2つの街を通る)1つとばして、バス停のない高速道路みたいな道路を通ってしまったらしい。ぼけっとしていた他の乗客も「私達はどこにいるの?」とざわつき出し、結局そのお婆ちゃんは車がビュンビュン通る道路で降ろされた…。どうりで乗車した時からなんか急いでいる様子だった運転手。でもすごいでしょ。日本じゃ絶対にあり得ないお話。
バレンシア、トレンテの通りには犬の落とし物(うんち)がたくさん。いつも踏まないように気をつけて歩かないと大変。そんなある日、私は見た!なんと母親が子供にトレンテの大通りでうんちをさせているのを…。私は度胆を抜かれ「あれ?犬のだけじゃないの??子供のって事もある訳?!」これからはもっと気をつけて歩かなきゃ。所かわれば何とやら…ですが、恐るべし!スペイン!!
そんなスペイン、バレンシアにも少しづつ日本ブームが訪れる兆しがあります。バルセロナ、マドリッドにはもちろん数え切れない程の日本レストランがあり、また「トーキョー屋」という日本食材店もあってスペイン在住の日本人やナチュラル志向のちょっとお洒落なモダンな生活をしているスペイン人の中で人気があるようです。日本ブーム=ちょっとお洒落でモダン、ナチュラル、の格付けで、日本料理、日本風インテリア等高価という事ともあわせて「日本の物」はファッションの1つとして流行している感があります。

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japones2 バレンシアにもいくつか日本食レストランがありますが、大抵は中国人経営のなんちゃって日本食のオンパレード。そんな中、少しづつですがお洒落な雰囲気のレストラン(オリエンタル料理レストランのメニューの1つに日本料理がある事が多い)が増えてきたり、以前バレンシア通信でもご紹介した通り、トレンテにも日本食レストランや日本食を扱うお店ができたりしています。
そして遂にバレンシアに日本製品販売のお店「JAPON.es」(ハポン プント エス)が10月にオープン。噂を聞いて私もある日の夕方そのお店に出向いてまいりました。お店はバレンシア中心地にあり、バレンシア北駅、闘牛場から徒歩約15~20分程度の大通りに面しています。店内は日本のインテリア、招き猫、扇子など飾られていたり日本風ではありますが、特別日本だけを意識しているわけではなく全体的には黄色を基調とした明るいスペインのBAR風でとても好感がもてます。BARカウンターといくつかのテーブル席が用意され店内半分で日本製品を販売しています。私が出向いたのは夕方でしたが、ひっきりなしにスペイン人のお客さんが 来て大忙しでした。
お店はMiriam-Sayuriさん、Salvador さんご夫婦で経営。お二人のお子さんクララちゃんが愛嬌たっぷりにお店をかけまわっています。Sayuriさんはサンパウロ出身のブラジル日系人。Sayuriさんは以前に日本へ の留学経験もあり、スペインに遊びに来た時にバレンシア人であるご主人と出逢ってご結婚。当初は夏にオープン予定でしたが工事が遅れに遅れ10月1日にオープンしたそうです。
しょうゆ1L(6.96euro)、みそ(5.49euro)、めんつゆ1L(16.80euro)、すしのこ(3euro)、とんかつソース 0.5L(6.26euro)、カルピス1L(9.06euro)、そば、うどん(2.80euro)、たくあん(4.86euro)、サッポロビール0.5L(1.65euro)、日本米1kg(4.10euro)…等々。当然日本と比べると値段は高いですが基本的な日本食は全て揃っています。これらはマドリッドのトーキョー屋さんから仕入れているそうで、とうふ(2.60euro)、こんにゃく(3euro)、厚あげ(2.60euro)、焼きどうふ(2.70euro)、さつま揚げ(2.60euro)、納豆(2.60euro)もありました。これらはマドリッドで日本人の方が手作りされているものという事でとても美味しい。特に納豆は大粒で臭わず、逆に日本のより美味しいかも。納豆はとても人気で入荷するとすぐに売れてしまうようで私も予約購入しました。その上保存期間も短いので一度に多くは仕入れなれないとの事ですので、購入希望の場合は予約した方が確実かもしれません。またその他店内にない商品も注文すれば数日ですぐに取り寄せてくれるので在住者には以前とは比較にならないほど日本食生活が充実し便利になりました。
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japon10 現在はスペイン人と日本人のお客さんが半々の割合で特に夜7:00からが一番混雑するそうです。 スペイン人のお客さんには日本や日本食が好きな人、興味のある人、物珍しさで入店する人、BARと間違ってくる人、からかい半分の人等いろいろだそうですが、私がいた1時間程でも店主のお二人は対応に大忙し。特にSayuriさんは、一組一組に説明しながらの接客なので大変。インスタントラーメン(3.60euro)は大変人気で オープンからの2週間で150個以上売れたそうです。またすし道具コーナーが充実していて、のり(3.89-4.50euro) 、わさびチューブ(3euro)、がり(4.20euro)、すし酢(4.95euro)、更にちょっとレトロな感じのある炊飯器1.2L(49.80EURO)、0,6L(66euro)…等々ご家庭手巻きずし!に必要な物は全て揃っています。
店内のBARではコーヒーと一緒に緑茶も飲め、メニューにはありませんが大福(3euro)、抹茶アイス等日本のおやつも楽しむ事ができます。
また注文をすれば今まで手に入らなかった薄切り肉(いくら頼んでもスペインでは日本のように薄くお肉が切れない!)、うなぎの蒲焼き、写真のようなお寿司(12euro)も用意してくれるそうです。 私が店内にいた際もお寿司をTekeOutしていくお客さんが多かったです。なんせ今までバレンシアで食べられるお寿司といえばなんちゃってお寿司で、マグロが黒かったり、シャリがぐちゃぐちゃだったり、冷凍だったりだったのでお寿司好きには朗報。
実際に舌で日本の味を知ってもらうのが一番商品を理解してもらえるという事で試食も用意されています。私も日本のパン粉で揚げたとんかつをブルドックのとんかつソースで試食。「美味しい!」。スペインのパン粉はものすごく細かく今まで日本のような揚げ物は作れませんでした。スペイン人はけっこう揚げ物好きなので、パン粉も、とんかつソースも人気商品になる予感。
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今後もレストランにするつもりはなくあくまでも気軽に入れるBAR風のお店でTAKE OUTを中心に展開していくつもりだそうです。バレンシアで入手できる材料で作れる日本の家庭料理を紹介、販売したり、おり紙等日本文化も少しづつバレンシアで紹介していきたいとおっしゃってました。
今まではバレンシアで日本食材を買うといったら中華食材店でかわりになるような物を買ったり、 デパートに高級品としておいてある寿司材料を買う程度でしたが、このお店のオープンはバレンシア在住の日本人にとっては画期的な出来事でした。
「JAPON.es」
Av.Reino de Valencia
52, Bajo,Izquierda
46005 Valencia
TEL:96 373 30 28
営業:月曜日-土曜日/9:00-21:00シエスタなし