スペインタイルアート工房 東京・大阪・宮城女川

2019.4〜5月 スペイン・ポルトガル タイル巡り
第3回 セビリア後編

サンタ・アナ教会 (Real Parroquia de Señora Santa Ana)

セビリアの有名なカテドラルやアルカサルがある場所の、川を渡って反対側にあるタイルが美しい教会です。

この周辺はトリアナ地区といって、昔陶工が多く住んだ場所でした。現在でもいくつもの陶器店があります。

この橋はイサベル二世橋、通称トリアナ橋と言われています。
橋を渡った先がトリアナ地区です。
この橋をモチーフとしたタイル画を過去に絵付けしました。
教会の外壁にあったマヨルカタイル。とても色鮮やかで上下の装飾タイルも素敵です。左は1930年作、右は2004年作と新しいタイル画です。


教会内部には年代が様々なタイルがあります。私は2つのタイルを見るのが目的でした。まず目的1番目の1503年のタイル画。亡くなられた方が描かれています。このタイルは最初は教会の壁に描かれていましたが、修復され現在はガラスケースの中に展示されています。
目的2番目の床のタイル。この組み合わせ方は初めて見ました。色々な形のタイルを隙間なくぴったりと組み合わせるのは大変だと思います。1900年ころの作品。
教会内にはいくつもの礼拝堂があり、その祭壇の下にタイルがあります。1914年作のクエルダセカタイル。
同じく祭壇下のマヨルカタイル。左は1928年作、右は1900年作


壁面のマヨルカタイル。黄色が美しいです。

サリナス家の宮殿(Casa de Salinas)

16世紀の宮殿です。

昔のセビリアのタイル画。川を通して繁栄していた様子が伺えます。
入口を入ってすぐの天井にはクエンカタイル

中庭を囲む廊下にクエンカタイル。古い建物は大体同じ構造です。以前ご紹介したレブリハ宮殿と似ています。

ここには今まで見たことがないデザインのクエンカタイルがいくつもありました。郵便マーク(〒)?とホタテ貝は初めて見ました。





中庭の中央には噴水があり、噴水の下にもクエンカタイルが。

食堂のタイルはシンプルなデザインでした。

食堂の中から中庭が見えます
居間にもタイルがあります。
上部には彫り込んだレリーフタイルのような白いタイルがあります。


階段のタイル。壁と1段ごとにタイルがあります
階段を上がった踊り場のようなところに小部屋があり、窓からは別の中庭が見えます。窓辺までびっしりとクエンカタイルが貼ってあります。


窓のタイルのアップ
別の中庭にはモザイクタイルがあります。左は2階から見たモザイクタイル。右はアップ写真

別の中庭の噴水のタイル

サン・アントニオ・アバド教会(Iglesia de San Antonio Abad)

この教会は地元の人々が中庭に赤い蝋燭を灯して、熱心にお祈りしている姿が見られます。

入口上部の壁にもタイル画があります
中庭にあったタイル画
同じく中庭の陶器の植木鉢
この青いマリア様のタイル画が目的で訪問しました。青がメインで描かれるタイル画はスペインでは珍しいです。とても美しかったです。
中庭に置かれた多数の赤い蝋燭
教会内部壁面のクエンカタイル
 

サンタ・イネス修道院(Convento de Santa Ines)

一部の修道院では、お菓子を作って販売しています。 昔ながらのレシピで無添加なのでおすすめです。

購入方法は非対面式。回転扉の近くにお菓子の品名と値段が書いた紙があるので
それを見て買いたい物を決め、回転扉の近くのベルを鳴らして修道女さんからの声かけを待ちます。
欲しいお菓子の名前と数を伝え、回転扉にお金を置いて扉を回します。
ふたたび回転扉が回り、お菓子を受け取って購入終了です。

最近ではお菓子の写真や個数、グラム数が表示されているところもあります。
それがない場合は、必ず販売単位を確認してください。

以前、別の修道院でこの方法でお菓子を購入したことがあります。
個数やグラム表示が見当たらなかったので、1番安い品物(確かマドレーヌ:3€)を注文しました。
その時、扉の奥でドサッという重そうな音がしてイヤな予感がしました…
出てきたのは、マドレーヌが何と12個。
その後毎日のおやつがマドレーヌになったことは言うまでもありません。

修道院の入口の扉に貼ってあったお菓子の写真
お菓子の売り場。青のタイルが綺麗ですね。

ホテル

今回セビリアでは2泊して、1泊ずつ別のホテルに宿泊しました。


<1泊目のホテル>

ホテルのレストランにあったクエルダセカタイル。
とても華やかでした。




中庭にあった組タイル。周りに陶製の立体的な枠があり、内側の上下にクエンカタイルが横1直線に数列。
中央はエレガントなクエンカタイルの中に正方形のクエルダセカタイルが組み込まれています。組み合わせ方もとても参考になります。



同じく中庭にあったクエルダセカタイル。
周りが光沢のある赤系の色を使用しています。

<2泊目のホテル>

廊下には深緑色の落ち着いたタイルがありました。






1階からの階段壁面部分のタイルが金色でとても豪華な感じでした。よく見ると上下のタイルのデザインが廊下の深緑色と同じでした。色が違うだけでかなり雰囲気が変わります。




レストラン

私はセビリアにお気に入りのバル・レストランがあり、いつも1回はそこへ行きます。今回の旅行でも訪れました。

中心地からは少し離れていますがセビリア最古の店と言われていて、壁面にはタイルがいっぱい。もちろん料理も美味しいです。


お店の外にあったクエンカタイル
レストランの壁にあったクエンカタイル



レストランにあったタイル
バルの壁にもクエンカタイルがいっぱい
バルの壁にあったラスター?の金色タイル
お店の入口にあった同じく金色タイル

私がいつも食べるお店の名前がついた特製サラダ。
野菜、豆類、魚介類がいっぱいでとても美味しいです。

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